コクリコ

コクリコ坂見てきました。すげえ面白かったです。
面白いというか、凄い「いい映画」でビックリしました。
ゲドとはなんだったんでしょうか…

特に、不必要なセリフやいらない演出の「削り方」が上手かったと
思います。まあ脚本は宮崎駿なのでそのせいの可能性もありますけど、決めるのは監督ですし。

あとジブリ映画にしては珍しく自分からは動かない「巻き込まれ型の主人公」だなと
思いました。自分から動かないことで運命っぽさを強調したかったんでしょうか？
まあ脚本は駿なんですけど。

ただあえて苦言をいうと、相変わらず「魅力的な動き」という演出の
部分はほぼ皆無だったあたり、アニメーション監督としての力量が上がったとかではなく、
題材の選び方が大成功だったのかなという気はします。
細かな日常描写を入れてはいるのですが、動き自体が魅力的というわけではなかったかな。
そういう部分についてはアリエッティの米林監督は非情に上手かったんですけどね。

特に梯子に乗って電球直すという、ここぞアニメーションの見せ所としか思えない
シーンが二度もあったのに、梯子が微動だにしなかったあたり、そもそも
アクションには興味がないのかなという気さえします。

そうは言っても90分しかないのに焦ることなく、遅すぎず早すぎず綺麗に
組み立てていった構成力は上手かったと思います。
米林監督には次回作で是非アクション映画を撮って欲しいと思いますが、
宮崎吾朗監督の次回作があるのなら、今回同様アクションにこだわらない映画に
するといいんじゃないでしょうか。