漫画の絵に「絵柄」があるようにアニメ声優の演技にも
「声柄」なる文化の変遷があるのではないかと思ったりします。
60年代頃のアニメの声を聞くと、今のアニメとは声が違うなあ、と思うわけで、
それはもちろんおじさんおばさんが老若男女の声を演じてたとか、
録音機器が今よりショボいとか色々な要素はありますが、
喜怒哀楽の演技の技術は完璧に上手いわけで、そうなるとやはり
「声の出し方」「演技の仕方」が違うのかなあ、と思うんです。
んで時代ごとで目立つ流行の演技ってものがあるわけで、
例えば80年代から90年代半ば頃には「キャピキャピ声ブーム」があったのでは
ないかと妄想してます。いわゆる「アニメ声」と言われる由縁となった
美少女キャラのキンキンに響く声です。
具体的にはこおろぎさとみさんやかないみかさんのような声優が
完成させたんじゃないかと個人的に憶測している声の文化で、
この声の出し方を同時代の多くの声優が真似たり研究したりと
切磋琢磨があって、あの時代における新しい演技による文化の一つとして
流行っていたんじゃないかなあと思います。
ようつべで日本アニメの中国語吹き替えを見たりすると、
「ああ、なんだか70年代の日本のアニメのような吹き替えの演技だなあ」と
思うことが多々あります。
中国に限らず、海外ではアニメの吹き替え、特にオタク向けなアニメのそれが
現地の外国人に不評なんていう話をよく耳にするのですが、
それはもちろん現地語だと演技の荒がすぐ分かってしまうというのもあると
思いますが、それとは別に、アニメ文化特有の声柄を踏襲できていないから
なんじゃないでしょうか。
役者としての喜怒哀楽に関しては、向こうもプロだと思います。
漫画でいうならばデッサン力です。それはあります。
しかし声の演技の声柄、漫画でいうならば絵柄がイメージと違ったり、
つたないなんていうことが起こっているんじゃないかなあと。
んで、じゃあ現代のアニメ声優文化にも新しい声柄があるのかと言うとあります。
ズバリ「ダル声」です。80年代あたりから流行りだしたいわゆるアニメ声の
文化は若干影を潜め、その代わりに、あずまんが大王の大阪あたりから
「ダル~くてゆる~いアニメ声」の出し方というものが序々に散見しだして、
らき☆すたのこなたが完成させたんじゃないかと疑っています。
その新しい流行を踏襲して平沢唯のダル~い「ウぃ~~↑」みたいな
声が生まれてるのではないかと思います。
最先端の流行なので一部のアニオタには大ウケです。俺とか。
こなたや唯のようなダル声が30年前のアニメにあったかというと、
自分の記憶の中にはありません。林原めぐみさんあたりの時代ですら、
たまにいい感じにダルい低音を出したりはしてましたが、
こんなにあからさまに力を抜いたダルさの声ではなかったです。
いや、だからどうしたと言われても何もないんですけどね。
要するに、唯は可愛いということです。
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